スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

<小説>夢の行く先  「はじめに」

それはもう、幾つかの傾いた道標を辿り、やっと着いた山の上に立つと
そこは夢に見た場所ではなく、目指して憧れたあの人も、もう居ない。
想いもよらぬ稜線の雲間に新しい頂が幻のように霞んで見えている。
近くに見えるが遠くも見える。道は繋がっているのだろうか。
いつか通り過ぎた分岐点にあった道標が思い出される。
それにしても、此処は何処で、あれは何なんだっ・・。
目指したのは確かにこの山の頂の筈なのに。間違いない。なあ友よ。
もしかしたら・・あれが本当の俺たちの夢の行き先なのか・・。
そういえば、若い時に憧れた別の山が、秘めた夢の中にたしかにあった。
あれはその山なのか。それとも、この山の本当の頂なのか。
麓の原であの日見て憧れた美しい山はいったい何だったのだろう・・・。
時間を戻すことが出来ないように、後戻りの道はもう有りなどしない。
歩を進める前に、暫くは荷を下ろして、今はとにかく一休みをしよう。
鬼退治はできたのか。宝物は探しあてたか。本物は・・。
来た道を振り返り、記憶を辿ると、そこには幾つかの戯れやそして道草も。
恐れや汚れを弾いて力漲る、青春という名の光の軌跡がたしかにあった。
そして、彷徨う若い魂の眩しい輝きがあった。
しかし、其処にはまるでそれに照らし出されるかのように付き纏う底知れぬ影が。
地殻変動もあって、気が付けば辺りはまるで瓦礫の山だ。
それにしても、なんという殺風景なことか・・。
大きな長い溜息のように友が笑みを浮かべて呟いた。
俺はもう此処までだ。そもそも、たしかに此処は想った場所じゃなかったようだ。
だけど、俺にはもう余力が少しも残ってないんだ。此処まで来れて満足さ。
行くならお前が一人行け。きっと繋がっている。
あれこそがお前の行くべき所だよ。知っている筈だ。幸運を祈る。

自然写真「四季の肖像」の作者が、今、自らが実際に体験、冒険した夢の旅路、
青春という彷徨の記憶の断片を、想い出すまま気ままに小説風に記して行きます。

★「カテゴリ」●シナリオ● 【この空の青さは】もよろしく
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
最新記事
プロフィール

sagapo5614

Author:sagapo5614
写真集「四季の肖像」の作者です。
プロフィルや作品はこちらのHPをご参照ください。http://mfnpf.jp/
下記リンク【四季の肖像】からどうぞ

リンク
月別アーカイブ
最新コメント
フリーエリア
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
RSSリンクの表示
FC2カウンター
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。