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この空の青さは④

〇(回想)地下街
 ※(「無音」でバックに挿入歌「シクラメンのかほり」のインストルメンタル)
   独りで歩く彼女の後ろ姿。
   それに向かって潔くどんどんと近づいて行く青年、横に並んだところで何や
   ら声をかける。
   何気なく横を振り向く彼女。
   青年の顔を見て驚き、一瞬立ち止まるが、すぐに恥ずかしそうな顔になって
   ゆっくりとした速度で歩みを続ける。
   「びっくりしちゃったわ」という仕草で胸に手をあてて笑う彼女。
   爽やかに微笑みながら何やら話かけ青年と、時々下を向いたりして恥ずかしそう
   にしながらも、幸せそうな雰囲気で受け答えする彼女。
青年の声「とりあえず彼女は逃げることもなくて、思いのほか落ち着いて話ができた」
 「周りの音が何も聞こえなかった。」
 「彼女の言葉が沁み込んできた。」
 「俺の言葉が沁み込んでいった。」
 「必要なものが何かが、わかった。」
 「彼女は嬉しそうだった。」
 「確かに、嬉しそうだった。」
 「本当に全てが始まるような気がした。」
 「・・・だけど。どうして。」
                                (WIPE)
〇(回想)地下街
 ※(「無音」でバックに挿入歌「シクラメンの香り」のインストルメンタル)
   独りで歩く彼女の後ろ姿。
   それに向かって潔くどんどんと近づいて行く青年、横に並んだところで何や
   ら声をかける。
   何気なく横を振り向く彼女。
   青年の顔を見て驚き、一瞬立ち止まるが、すぐに恥ずかしそうな顔になって
   ゆっくりとした速度で歩みを続ける。
   「びっくりしちゃったわ」という仕草で胸に手をあてて笑う彼女。
   爽やかに微笑みながら何やら話かける青年と、時々下を向いたりして恥ずか
   しそうにしながらも、幸せそうな雰囲
   気で受け答えする彼女。
青年の声「とりあえず彼女は逃げることもな くて、思いのほか落ち着いて話ができた」
 「周りの音が何も聞こえなかった。」
 「彼女の言葉が沁み込んできた。」
 「俺の言葉が沁み込んでいった。」
 「必要なものが何かが、わかった。」
 「彼女は嬉しそうだった。」
 「確かに、嬉しそうだった。」
 「本当に全てが始まるような気がした。」
 「・・・だけど。・・・どうして。」
                                (WIPE)
 〇大学の広場  
   ベンチの二人
友人「それにしても、お前、一対一でさあ、よくやるよ。・・・俺だったらもう、心臓
 が 持たねえな。」      青年「……だから言ったろう。あの時って、本当に
 自然だったんだ。・・・そりゃあ一寸は不安が有って、緊張したけど、一言交わした
 ら、もうそんなの無くなっちゃって。不思議なもんさ。信じらんないくらい静かなんだ。」
友人「へえ・・・。」
青年「あんな落ち着いた気持ちになれるとは、実は予想外だったなあ……。これが本当
 だと、そのとき思った。」
友人「ふ-ん・・・。」
青年「本当の相手だと、そのとき思った。少なくても、俺はそれが確認できた。」
友人「・・・だけど。なんだろ。」
青年「(細かく頷き)ああ・・・。」
友人「それにしても何を話したんだっけ。」
青年「バイトの事とか、とりあえず何でもないことさ。本当あん時の続きって感じ
 だよ。クリスマス、何かあるの?って聞いたら、別に何もって。家族でケ-キ食べ
 るって…。俺もうホッとしちゃって、平和なんだねって言ったら、笑ったよ。・・・
 おいしいケ-キを買って行くのが役目なんだって。それで俺が、その為に一生懸命バ
 イトしたんだって言ったら、もう、彼女が、笑った。ハハ、ハハハ。・・・それで、
 俺も同じだって。ハハハハ。」
   空しそうに大声で笑う青年。    
   友人つられて少し笑いそうになるが、すぐに冷めたような顔で見て
友人「だ、け、ど、……なんだろ。」
   ゆっくり頷いて
青年「結局、駅んとこまで来ちゃって、それで立ち止まって。本当に別れたくなくて。
 面と向かって、俺は・・・。・・・。」
   思わず身を乗り出して
友人「なにを、何を言ったんだ。聞いてないから。教えろよ。重要なとこだぞ。」
青年「だから、別れたくないって事をさ。・・・自己紹介もしてないままだし。もっ
 と話がしたいと言ったんだよ。いちばん正直なことを言ったんだ。目を見たら、彼
 女、紅くなって・・・。俺は、笑わそうと思って。・・・このまま一生ず-っと話
 していたいくらい、なんだって。そう言ったら、・・・そう言ったら・・・」
   さらに身を乗り出して
友人「そう言ったらッ?・・・」
青年「彼女、笑ったんだけど、それがちょっとへんで。時計を見たりして、時間が無い
 とか言い出したんだ。冷たい顔で。」
 「そしたら俺、急に、血の気が引いてきちゃって、力もス-ッと抜けてきちゃって。
 彼女が遠-くの方に見えてきて・・・」
友人「・・・それで、どうした?」
青年「どもしなかった。・・・俺は誰で、ここは何処で、何をやってんのか・・・
 わかんなくなって。・・・残念だねって言うのが精一杯だった。それだけだよ。」
友人「(大きく天を仰ぎ)・・・。」
青年「じゃあっ。て、言ったさ。・・・俺はもう振り向かなかった。・・・急に自分が
 アリのように小さくなって、情け無くて。・・・とんでもない人違いをしたもんだと
 か思おうとした。・・・それにしても、本当にそうだったろうかとか、どしてかとか、
 考えちゃって。・・・実は一寸気になって振 返ったら・・・やっぱり何も無くて。」           
   この間のセリフに被って、二人の様子が、要所要所で短いカットバックや
   ストップモ-ションで挿入される
   最後は、実は逆に置き去りにされた様に青年の方を見て立ったままだが、暫くして
   どことなく寂しそうに、その場を去る彼女の姿。
   その後一瞬振り向く青年。
   先程の喫茶店を通り掛かる青年。                
                                 (WIPE)
            
〇大学の広場                 
   腕組みして考えこむベンチの二人
友人「まるでビデオ観た様によく解ったよ。 ・・・それにしてもよく覚えてるんだな。」
青年「そりゃあそうさ。どういう事なんだろうって、毎日の様に考えてたからなあ。」
   頷きながら
友人「結局、解んなかったよなあ・・・。あん時はまだ先輩も居なかったことだし。
 解りようがねえや。日本的恋愛論なんて考えもしなかったもんな。そんなもんかよ、
 仕方ね-なっ、てなもんで・・・」
青年「まったくもって、一巻の終わりだった」
友人「そんでもって寒-い冬が来た。」
青年「ああ。だけど。・・・だ、け、ど、なんだよな。」
友人「俺、てっきりお前は諦めちゃったもんだと思ってたんだけど、違ってたんだ……」
青年「そう。し、か、し、なんだよなあ、これがまた………。」          
   と言って明るくなりニッコリすると、つられたように微笑んで
友人「糸が切れてなかったんだ・・・。そりゃそうだよな。あのインスピレ-ションだ。
 それで、月曜日の3時と、水曜日の4時のあそこ……。」
青年「(ニッコリして頷き)………。」
友人「同じ曜日の同じ時間に彼女があそこを通って、同じ曜日の同じ時間にお前があそ
 こに居る・・・。そんでもって、彼女がお前を見て、お前が彼女を見てる・・・。」
青年「(真面目に頷き)………。」
友人「………ふ-む。……ふ-む………。」
   (探偵ドラマ風の曲が一瞬流れて)
友人「(ものまね風に)ん-、ちょっと待って下さい-。これは重要な事です-。確認
 したいのはその時の彼女の様子、つまり、表情とか仕草、あるいは行動の事です-。」
 少し苦笑いをして友人の顔を見る青年
 「(更に続けて)つまりこうなんですね、・・・その時彼女は例えば、迷惑そうだった
 り、呆れたような、馬鹿にしたような、はたまた無視する様な、そんな感じではないと。
 そういえば私も一度見てます。・・・ふ-む。同じ曜日で同じ間。ふ-む。う-ん」    
   (以前の彼女の通学路での様子が、端的なカットバックで挿入される)  
   真面目な顔をして頷いている青年の顔を見て
友人「おいっ。止めてくれよっ。」
   と言った後オ-バ-に手を打って
友人「(大声で)ヨシッ。ワカッタッ。彼女はお前を好きだ。彼女は、お前を待ってるっ。
 ・・・ヤッタヤッタ-。コノ-、コノーーッ!」             
   と言って、肩を叩いたり、こついたりしてはしゃぐ。
   笑いながらも少し迷惑そうにして
青年「いや-、そうかな-、ほんとかな-。だといいな-、嬉しいなっ。」
友人「惚けんなよっ。自分が一番知ってるくせに。そんな場合じゃないんじゃない?」
青年「わかってるよ。やるべき事もさ。」
 「だけどだなあ・・・。タイミングってのがあるんだよ。それに案外難しそうだ。」
友人「そうかなあ・・・。」
青年「実は俺、あん時のダメ-ジがけっこう残ってて、どうもスンナリと行かない。」
友人「それってつまり、力石徹を死なせたテンプルが打てなくなっちまった矢吹丈。」
青年「はは、その通りかも。」
友人「重症かよ。だとしたら困ったなあ・・・。」
青年「わかんないけど、おかしいんだ。」
   フッ切る様に天を仰いで
友人「それにしても-、彼女って-、ほんとうに-、奇麗だなあ-。・・・。」
   と、横目でチラリと青年を見る。
青年「(同じ様に天を仰いで)・・・。」
友人「彼女の顔見たら、なんとかなっちゃうんじゃないの?現にお前、ひき付けられて
 行ってるじゃないか毎週さあ。それって自現象だと思うぞ、俺。」
青年「(驚いた様に)お前、時々凄いこと言 ってくれるな・・・それ、いただきっ。」
友人「なっ。だろっ。つまりよ。なんとかなるって事よ。慌てるなってかもね。」
 「それにしても腹減ったなあ。」
   と言って急に立ち上がり
 「(時計を見て)いい時間じゃんかっ。メシ メシ、メシ喰いに行こっ。頭使ったら、
 腹減っちゃった。丁度いい丁度いい。・・・そうだっ。先輩がいるかもしれんぞ。」 
   背伸びして青年も立ち上がる。

〇大学内の歩道                
   食堂に向かう二人の後ろ姿。    
   街路樹の木の葉に飛びつき、それを散らして、友人がシャドウボクシング。
   テンプルを打つ真似をさせたりして、彼女の事で青年を明るくからかう様子。
   新緑が緑に輝く並木の青葉。          
   その上に広がる青い空と白い雲。                (O・L)   
  ※(挿入歌「シクラメンのかほり」はじまる) 
   冬から早春へと自然を撮り歩く姿と、青年と関る彼女のこれまでの全ての姿が、
   (O・L)の連続で次々とタイミングよく描かれていく。         

    ・真綿色したシクラメンほど清しいものはない
    ・出逢いのときの君のようです
    ・ためらいがちにかけた言葉に 驚いたように振り向く君に
    ・季節が頬を染めて過ぎて行きました
    ・呼び戻すことができるなら僕はなにを惜しむだろう
  

    最後は彼女の数種類の美しい表情。             
                                  (F・O)          
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