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この空の青さは⑤

(F・I)
〇大学食堂
  混み合う学食の窓際でカレ-ライスとスパゲッティを食べている二人。
友人「先輩、どうやら居ないようだなあ。」
青年「なにしろ正体不明、神出鬼没だから」
友人「今日こそは、先輩の話、じっくりと聞きたい心境なのになあ・・・」
青年「次の産業心理学には出てくる筈だ。」
友人「それにしても、あんなすごい変わった人がこの大学に居たとはなあ。」
   笑って頷く青年。
友人「最初ん時の事、覚えてるよなあ。俺達そろって留年しちゃってて、やっと
 三年に上がれて最初の授業ん時。こんな二流大学で落第したて見通し暗いんかなあ
 って、お前と話してたら、急に後ろから、オメデトウって。……。」
 「驚いて振り返ったら、あの顔だあ。」
   その時の様子がカットバックで挿入。
   不精ヅラの先輩の人懐こい笑顔。
友人の声「馬鹿にしてるんかと思ったらそうでもない様で、後でどいう意味か聞いた
 らその話が面白くって、本当に。」
青年「オメデトウの意味が凄く解った。」
友人「二流大で落第した事がめでたいって。君達はそれ以下か、それ以外かの、どっ
ちかだって・・・。問い詰められて・・・」
青年「あれは正に究極の選択ってもんだ。」
友人「俺なんか劣等感の塊だから。それでも思い切って、それ以外だって言ったら、
急にモヤモヤしてたものがフッ飛んじゃった気がして。あんなカルチャ-ショック
初めてだった。お前は目指す物が有るようだから、すんなり言えただろうけど、俺に
はどうも・・・とにかく、何だか目が覚めた様な瞬間だったことは確かだなあ。」
 その時の先輩のはしゃぎ様ったら。」
   会話の様子がカットバックにより挿入。
   二人の肩を叩き拍手して喜ぶ先輩。
   つられたように喜び合う二人。
青年の声「男の中の男だって。落ちこぼれの中の落ちこぼれだって。喜べ喜べって。」
友人の声「なんだか本当に嬉しかった。」
青年「落ちこぼれこそが、未来を切り拓くんだって。クリエイタ-の勲章だって。」
友人「そこまで言うか、と思ったけど、悪い気はしないからその気になっちゃう。」
青年「ハハハ、その気、その気、その気で行こう、俺達は。まあ気持ちだけでもな。」
   と言って明るく笑い合う。
   紙コップのコ-ヒ-を飲み干して、食器をまとめて、席を立つ二人。

〇大学内歩道
   次の講義へと移動する二人歩きながら、または時々立ち止まって。
友人「俺はこの大学、付属からのエスカレ-タ-で、なんとなく来ちゃったんだけど、
 そういえばお前も公立工業からの推薦入学だったんだよな。」
青年「ああ、俺の場合、高校が高校だから、進学は全然あたまに無かったんだけど、
 三年の時の就職活動に急にびびっちゃって。それで、ここへ逃げ込んだってわけさ。
 ・・・受験戦争にも就職戦争にも参加してないんだそういえば。反戦主義者。はは。
 と言うより、自分が何者かわかんないままで一つの会社に体当たりして行く様なそ
 んな事がどうしても俺にはできなくて、そんな場面から俺は逃げたのさ。」
友人「まるでカミカゼの出撃みたいな光景だもんな・・・。世が世なら、みんなバンザ
 -イって言って、飛んで行くんだろうか。・・・どうなんだろう・・・」
青年「とにかく、社会や自分の本当の姿を知るべきなんだ。もう少し時間が欲しくて、
 俺の場合、そのための大学なんだ。中途半端な学歴のためじゃあない。」
友人「その点、俺って中途半端。この大学で充分なんて、初めっから思っちゃってんだ
 もんな。それに、この経営工学科だって、なんとなく一番簡単そうだったから・・・。
 それなりに親が敷いてくれたレ-ルでもあるしさ。好きなんだ俺、この大学・・・。
 なのに、落としやがって。こん畜生。」
   思わず噴き出すように笑って
青年「だから、それ以下じゃなくて、それ以外ってえことで良いんじゃないの。」
友人「以上でないとこがシビ-とこだなあ」
 また噴き出すように笑って
青年「とにかく、ここは平和な所さ。静かなもんだ。ここに居る間に自分を見付ける。」
友人「(ニッコリと笑って)カノジョもね・・。」
青年「そりゃあベストさ。・・・いや、ひょっとしたら、それが先決かもしんない。」
友人「そうそう、先決先決、それそれっ。」
青年「ハハハハハ、本当なんだよ。」
友人「俺はYMCAやってたからもういいんだけど、この大学、女っけ無しだから、
   その点ちょっと淋しかないか?」
青年「いいんだよ、静かで。いっぱい居たら大変だ。それこそ別の戦場だから……。」
友人「言えてる。YMCAの中なんか、もう男女間系の渦だもんな実際。俺巻き込まれて
 弾き出されて、もうさんざん。実り無き戦争さ。ほんと。恋愛ってもんじゃあない・・。
 シングルで胸張ってるお前が正解だよ。」
青年「空っぽだけどな。一コ空室有りだ。」
   掲示板の前に来て足を止める二人。
   揃って貼紙を見。
友人「なんだよ、休講かよ。結局二つとも無いんじゃんか。来るんじゃなかった。」
青年「まあ、だけど、お陰でゆっくりと話ができたじゃないの。こういう時間こそがあ
 りがたいんだよ。」
友人「やっぱり先輩が居ればなあ・・・。聞きたい事が山ほど有るんだ・・・。」
                                  (O・L)
〇大学内図書館
   図書館の棟に入って行く二人。
青年「あの人この辺に居そうなんだけど。」
   そのままロビ-の椅子に座る二人。
友人「もう帰っちゃったかなあ……。」
青年「そういえば、お前、先輩の顔を見る度に質問攻めだからなあ。」
友人「なにぶん俺、脳味噌まだ柔らかいし、頭ん中の引き出しも空き空きだから。」
青年「程々にしておかないと。こないだちょっと迷惑そうな感じだったぞ。」
友人「そうかなあ・・・。だけど話したいのが本音だと思うよ。研究して、何かを発見し
 たら、やっぱり発表したいでしょうが。」
青年「研究途中なのさ。卒論の準備とか言ってたけど。何て言ったっけなあ・・・?」
友人「ハイッ。」
   と言って手を挙げ、一つ咳払いして
 「(スラスラと)文化人類学的アプロ-チによる日本的経営の源流とその本質、およ
 びその限界と功罪についての研究。」
   唖然として
青年「それ、もう一回言える?」
   先輩のその表紙のアップ
友人(声)「だから(シッカリ)文化人類学的アプロ-チによる日本的経営の源流と
 その本質および限界と功罪についての研究。」
青年「(感心して)へえ-。よくまあ沁み込んだもんだなあ、その頭に。」
   更に得意になったように語り出す友人
                                  (O・L)
〇(回想)放課後の教室(無音)
   教室の黒板友人に黒板を使って説く先輩。
   日本的経営の特質と日本的な物の関係を図解で示し力説する。
  『終身雇用』『年功序列』『企業別組合』『和の理念』『集団主義』『派閥』・・・
友人(声)「つまり、あらゆる日本的といえる物はこれ全て極めて独特な日本人の自我
の構造とこそ深く関わるものなのであり、その線上に日本的経営を捉えることによっ
て、その独自性を浮き彫りにして利点欠点、更に今後の問題を考えるという、こりゃ
正に究極の日本的経営論なんだなこれが。」              
                                 (O・L) 
〇図書館ロビ-(つづき)
   あきれた様に感心して暫くポカンと顔を見ているが、気をとりなおして
青年「独特な自我の構造って・・・?」
   パチンと指を鳴らして
友人「それよっ。それが問題なのよっ!」
   黒板に書かれた『日本的自我』の文字
友人(声)「集団的自我。もしくは日本的自我。これは新しい言葉だなきっと・・・」
青年「どういうのそれ・・・?」
友人「(ケロリとして)まだ聞いてない。」
青年「(ズッコケて)なるほどっ。」
友人「だけど-。日本の教育をフツ-に通り抜けるうちに、気が付かないでいると、そ
 れがフツ-なものになっちゃうんだって」
青年「・・・わかった。それで先輩は落ちこぼれに興味があるんだ。」
   考える様にゆっくり頷いて
友人「はは-ん。さては俺達を研究材料にしようって魂胆だな。なまじっか『それ以
 外』って言っちまったからなあ。それに、恋愛相談とか言って、やけに根掘り葉掘り
 聞く。・・・あの恋愛論だって仮説だから、成行きを見届けて実証するつもりなんだ。
 臭うなあ・・・。臭い、臭い。」
   と言ってクンクンと犬の真似をしていると突然後ろから笑い声が起こる。
先輩「クッ、クククッ、ククッ。クハハ、ガハッ。」
   驚いて同時に振り向く二人。
   すると、そのすぐ後ろで、男が椅子に座って足を組み、顔を隠す様に新聞紙を大き
   く見開いて、盛んに独り笑いをこらえている。
   新聞紙が不自然に目立っている。
友人「ウン?・・・。アアッ!」
   と言って首を伸ばし、確信を得て
  「セッ、センパ-イッ」
   潔く新聞紙を下に下ろして
先輩「(大声で)ガッハハハハハハハ…」
   と堰を切った様に笑い続ける。
友人「ずっとそこに居たんですか?まいったなあ・・・。捜してたんですよ-。」
先輩「まあ、せっかくの話を邪魔してもと、そう思ったもんだからね。ウハハハッ。」
   バツが悪そうにしている友人
   その肩を叩いて
青年「お前、先輩の弟子にしてもらえよ。」
先輩「フヘヘヘヘヘヘヘ。」
青年「だめ?」
先輩「いいものを見せてやる。」
   と言って、突然カバンの中から一冊の大きな本を取り出して、それを渡す。
   受け取った友人、表紙を見て
友人「完全自給自足の本・・・。・・・。 何ですかこれ・・・?」
先輩「それを完璧にマスタ-したら、その時ちょっとは考えてやってもいい。」
   パラパラとペ-ジをめくって
友人「・・・どういう事ですかこれ。」
先輩「落ちこぼれの必須アイテムだ。」
友人「・・・わかんないなあ。」
先輩「じゃ、そこんとこ考えときな。」
   と言って本を取り上げ、仕舞いついでに席を立ち、去ろうとする。
友人「どこ行くんですか?。まだいいじゃないですか。ちょっと待ってよ-っ。」
 「本、もっと見せて下さいよ-。」
   と言って近づいて、強引にカバンを奪い、離れて中を探ろうとする。
先輩「(大声で)コラッ。」
   後ろ向きでゴソゴソする友人。
先輩「もう行くんだから、返しなっ。」
友人「どれも教科書じゃないね、この中。」
   と言いながら返して
 「先輩って本当にカルチャ-ショックなんだから。もっと話が聞きたいなあ。」
先輩「悪いけど今度だ。・・・じゃあっ。」
   と手を挙げて、あっさりと立ち去る。
   その後ろ姿を尻目に、実は抜き取った一冊の本を座って読み始め 
友人「……日本人に生まれて損か得か……、 なんだコリャまた。ワッ赤線だらけ」
   先輩が外へ出たのを見て
青年「後で怒られたくないだろ。」
   と言って取り上げ先輩の後を追う。

〇大学図書館の外(高い位置からの俯瞰)
   勢い良く飛び出して「センパ-イっ」と大声で呼ぶ青年。
   気づいて先輩振り返るが、手を振るだけ。
   近付きながら本を掲げて、大声で更に「コレコレ-ッ!」と叫ぶ。
   どうやら解った先輩、あきれた様子を見せながら、ゆっくり戻ってくる。
   そこへ追いついた友人がまた本を奪い先輩を困らせたり、本を開いて演説の
   真似ごとをしたりしてからかっている。
 ※(挿入歌『西の空だけが』が流れる)
   徐々にフカン高くなり、やがて地平線

   ・ああ ある日見えてくる    ・塀の色はあざ笑いの僕ら
   ・とてつもなく高い高い    ・まるで空だけが
   ・塀の中で走り回る僕ら     ・西の空だけが
   ・ああ 丸い輪を描いて      ・かすかに憧れ色を
   ・おしくらまんじゅう汗に霞む    ・見せているようだ
 
  
   
   最後に地平線が夕焼け空になる。
                                 (WIPE)
〇青年の実家      
   平凡なサラリ-マン家庭の朝の食卓。
   食事も済ませて出勤間際の父が、新聞を読みながらコ-ヒ-で一服している。
   その奥で母が流しで洗い事。
   突然、二階から女子高生の妹が気ぜわしく下りてきて、「行ってきま-す」
   と言って通り過ぎる。
母「典子っ。あなたまた朝抜きっ?。」
   玄関で靴を履きながら
妹「もうちょっとだけダイエットッ。」
   と言い放ってヒラッと出て行く。
父「流行ってるんだよなダイエットが。」
母「肥満が流行ったらどうするのかねえ。」
父「そんなもん流行らんだろう。まあ、いいんじゃないかそのくらい。もっと馬鹿な事
 だって流行ってる御時世なんだ。あの子はちゃんとしてる方だ。」
   そう言うと、二階の方を見上げて
 「その点、アイツも少しは流行ってものに乗っかってもらわないとなあ。」
   と言って渋い顔をする。
母「それはそうね。一寸疎すぎてるわよね。逆らってる様な風さえあるからねえ・・・」
父「だから留年なんかするんだよ。大丈夫なのか、アイツ。・・・。」
   と言いながら玄関まで来て、上着をはおり靴を履く。
 「ちょっと言っておいてくれ、その辺。」
   と言い残して出て行く。
   頷きながら見送る母。
   トコトコと出勤する父の後ろ姿。
青年「(ねぼけた感じで)何か言ってた?」
   と言いながら二階から降りて来て遅ればせに現れる。
   テ-ブルに付き、皿の上のサンドウィッチを食べ始める青年。
   コ-ヒ-を出しながら
母「真一、あんたねえ、朝が早い時ぐらいお父さんにオハヨウの一言でも、たまには
 言ったらどうなの。」       
青年「………。」
母「高校生まではいつも朝一緒だったのに。いくらサイクルが違ったっていっても、ち
 ょっと避けてる様にしか見えないわよ。」
青年「・・・そうでもないんだけど-。」
母「・・・だけど、何なの?。昔なんかあんた毎日必ずお父さんに元気良くイッテラ
 ッシャ-イって。・・・。」
青年「いつの事?・・・ずっと子供ん時の事だよ。」
母「あんたいつか、朝のお父さんの後ろ姿が好きだって言った事もあるんだよ。」
青年「ははっ。それって小学校ん時の何かの作文だよ。だからずっと子供の時。」
母「今は違うわけ。」
青年「(軽く)・・・かもね。」
母「どうしてかしら。お父さんは昔からずっと変わってなんかいないわよ。前よりずっ
 と立派なくらい。本当にそうだよ………。あんたの見方が変わったんだ。」
青年「・・・。」      
母「そういえばあんた、この前雑誌に載ってた、木原ナントカっていう写真家に憧れて
 るみたいだけど。ああいう人はねえ、何千何万人のうちの一人なのよ。よっぽどの才
 能と、よっぽどの運の持主なの。それに、人徳というものが有る人なのよ」
青年「人徳ですか。それってちょっと分かり難いんだよね。あんまり運とか人徳と言い
 過ぎてると、肝心な本質を見失うことにもなるんだよな。・・・と先輩も言うだろな」
母「何よそれ。何その先輩って。話の腰折らないでよ。とにかく、そんな人と比べられ
 たら、お父さん可哀想だよ。あんただってそうよ。平凡なサラリ-マンを馬鹿にして
 るんじゃあないでしょうね。お父さんだって若いころは小説家志望だったんだから」
青年「知ってるよ。聞き飽きたよその話も。やっぱ才能が本物かどうかが問題なんだ。
 それを見極められたたかどうかが、問題なんだッ。」
母「ま-なんて生意気なんでしょ。とにかく生活の為に毎日一生懸命働いてる人たちを
 馬鹿にする様な事だけは、言わないでちょうだいね、お願いだからッ。」
青年「解ってるよ、そんな事は。平凡なサラリ-マンを尊敬してるくらいさ俺は」
母「あらま、本当かしら。そうは見えないよ に思えるんだけどもねえ。」
青年「本当だよ。ちょっとクエッションマ-クが付いてるだけってとこさ。」
   と言ってコ-ヒ-を飲み干し、カバンを持って、玄関へと向かう。
   その後を追う様にして
母「クエッションマ-クも程々にしておいてちょうだいね。また留年って事なんかにな
ってもらいたくないから・・・」
青年「わかってますよッ!」
   と言って出て行く。
   しかしすぐにドアが開き顔を出して
青年「そういえば、心配するから言わなかったんだけど、機密事項だし、どうしようか
 な。・・・やっぱりやめた。心配すっから。」
母「なによ。どうしたっていうのよ。」
青年「どうせ分かることだし、まあいいか。・・・実はうちの大学、宇宙人と交信して
 て。これがまた急転開で、今日、裏山にUFOが着陸する事になってるんだ。」
   黙って聞いている母の顔色を見て
 「昼のニュ-スくらいから大騒動になるかもしんない。スク-プ写真撮ってこようか!」
   すると思い切り驚いた形相になって
母「エ-ッ。ウソ-ッ。そんな物いいから、近寄っちゃダメよ。気を付けなさいっ。」
   勢い良く頷いて、すぐドアを閉める青年。
   笑い転げる様に路地に飛び出した後、一度振り返って『バ-カ』という身振りをし
 て、明るく歩いて行く。
                                  (O.L)
〇都会の朝
 ※(挿入歌『僕らの四季』のイントロが流れ始める)
   青年が歩く朝の住宅街の路地の風景。
   同じ様に家から出て来るOLや勤め人
   すれ違う小学生の集団登校の列。  
   通勤通学で意外と賑わう住宅街の路地
   (O・L)の連続で映し出される朝のラッシュアワ-の様々な風景。
   それに混じって時々映る青年の姿。
   最後は大学前で停まったバスから降りて来る青年と大勢の学生達。
   パンしてその上の青空をとらえる。

〇学園風景
   今度はまた(O・L)の連続で映し出される現代の学生達の学園生活の
   様々な風景。時々映る青年の姿。  
  
 ・そうなんだ僕らには 絶望を語って   ・そうなんだ僕らには 滅亡を嘆いて
 ・時を過ごすゆとりなど許されていない  ・涙する日溜まりなど許されていない
  ・台風の兆しに              ・夕暮れの残照に
 ・優しさの羽根を啄む鳥に似て        ・愛を求めて咲き染む花に似て
  ・春はいつも 冬の瞼の下で         ・秋はいつも 夏の騒ぎの日陰   
  ・おののきいじけて過ぎた         ・うなだれたままに過ぎた
  ・だから夏の爆発に             ・だから冬の到来は
 ・カモシカたちは挫折していく        ・僕らのなかで知らされていた
 ・時代を予感しないことだけが       ・予感をしても目を瞑ることが
 ・幸せへの道なら 僕らにとって        ・生き残る知恵なら 僕らにとって
 ・春は錆ついた季節かも知れない      ・秋は待つだけの季節かも知れない
                         ・四季は見せかけの化粧かも知れない 
 
   

   最後は元の大学とその上の青空。         
                                  (WIPE)
〇大学の教室 
   講義が終わった直後。
友人「今日はまた例の日なんだけど、つまり 例の場所へまた行くわけ。」
青年「どうしようかなと思って・・・」
友人「先週も行かなかったんじゃないか。」
青年「そうだよ。」
友人「心配にならないの?」
青年「それもいいかなと思って・・・」
友人「どういうこと?」
青年「進展が必要なんだよ。このままで良いなんて思ってないから・・・。
 只あそこへ行くだけって事はもう止めなんだ。」
友人「時間が永遠に有るわけでもないしな。いよいよ決戦まじかってわけか。」
青年「そんな大袈裟なこと言うなよ。俺はただ自然の成り行きを期待してるだけなん
 だ。なぜか今んとこいい感じで、妙に満足しちゃってるような、そんなとこあるから
 このままで良いわけないって、彼女にも思ってもらいたいんだ。」
友人「そうか。これはタイミングの問題だな。・・・彼女があそこを通って、その時そ
 ういう雰 囲気だったら、決まりだ。」
青年「その通りなんだけど・・・」
友人「だ、け、ど、かやっぱり。あの後遺症は確かに有るんだろうけど、それよりも、
先輩のあの恋愛論が気になるんだろ。」
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