スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この空の青さは⑥

〇大学の広場    
   ベンチの二人(別の場所)。
友人「相手のことを本気で好きだという事を知られたり、言ったりしたら、その時こそが
 その恋愛の最大のピンチの時だなんて。 それから、お互いが本気に好き同士を確
 認し合って始まる恋愛なんか有りえないって・・・。なんてえ話だ、一体全体・・・」
                                  (WIPE)
回想(放課後の教室)
   二人に恋愛論を説く先輩
先輩「ただいたい恋愛というものおいて無器用なのは日本人の伝統なんだ。そこで、
 なんで無器用かってことを、俺は考えるわけだ・・・」
友人「どうしてなんでしょうか。」
青年「日本的自我……ですか。」
先輩「それより恋愛論だろ今は。そうすれば そのうちにその概念だって見えてくる。」
友人「なるほど、それそれっ。」
先輩「一言で言えば…なんとなく好きだから、なんとなく付き合ってる。これが即ち現代
 の日本的恋愛のその基本形だ。だが問題なのは、相手のことを本気で好きになった
 時だ。そのことを知られたり言ったりしたら、その時こそがその恋愛も最大のピンチの
 時になるんだからな。本気で好きになったら腰抜けになっちまう。適度に好きな相手
 こそ理想なんだ。・・・それから、お互いが本気に好き同士だっていうインスピレ-
 ションをハッキリと確認し合って、それで始まる恋愛などまず有り得ない。そんなア
 プロ-チはまずしないことだな。付き合いたかったら。嬉しいだけで何にもならん。」
友人「・・・なんで。どうしてっ・・・?」
青年「やっぱり、自我の問題だ。」
先輩「とにかく、高望みはしないことだな。本物の恋愛なんて今時あり得ないから。少
 なくともキャンパスライフにおいて。ぜったいにない。」
友人「(青年を見て)本物の恋愛。・・・。」
先輩「君が今、彼女のことで苦労してるのは当然なんだ。なんとなくという一線を超え
 ちまった以上な。・・・成り行きなんだろうが、お気の毒っ。」             
                                  (WIPE)
〇大学の広場(ベンチの二人)つづき
青年「つまり本当の恋愛ってえのはなかなか有るもんじゃないって話なんだよな。」
友人「なかなか無いんじゃなくて、ぜったいに無いって言うんだ・・・。」
青年「そういえば、そこなんだ、俺も引っ掛かってるところは・・。絶対に無いなんて
 どうして言い切れるんだって・・・。」
友人「たぶんさあ、先輩が研究してる日本的経営と繋がってるんだ。どっかで。集団主
 義とか集団的自我とかいうやつと関係してるんだ、やっぱり・・・。」
青年「相当な確信が有るようだからなあ…。それに相当な経験だってしてる様子だ。」
友人「休学して世界一周の放浪してたって噂、本当かもしれん。本人否定してるけど、
 地の果てを見て来た様なそんな雰囲気あるもんな。・・・とにかく、研究の途中で出
 来た副産物なんだ。あの恋愛論は。」
   世界を放浪する先輩のイメ-ジ映像が挿入される
 「先輩いつも結論しか言ってくんないから イマイチ解かんないんだけど・・・じゃ
 あどうしたらいいのっ?て聞いたら・・・。」
青年「知ってるよ・・・。本当の恋愛なんてしようと思うなってんだろ。・・・なんと
 なく好きになって、なんとなく付き合って、なんとなく結ばれればいいんだって。 
 適度に好きな相手を見付けることだって。それか、本気ということを隠し続ける。」
友人「その逆からでもいいって・・・。つまり、なんとなく結ばれて、なんとなく付き
 合って、なんとなく好きになる。・・・。その方が得策かもな。」
   頷きながら
青年「得策かどうか。それが本当の恋愛じゃないって事は俺もそう思う。だけど、百パ
 -セントそれしか無いってえ事だけは頷けない。それに、そういう関係って何も日本
 だけじゃないと思うし、本物は所詮少ないものさ・・・。」
友人「少ないんじゃなくて、無いって言うんだ。有り得ないって。そこが問題なんだ。
 つまりよっぽどの根拠が有るんだきっと・・・。」
青年「聞きたいもんだな、そこんとこ。」
友人「なかなか教えてくんない。そう簡単に解かってたまるかって直ぐに言うから。」
青年「ところでお前はどう思うんだよ。」
友人「知っての通り、おれ三年間YMCAやってて、いろんな女の子と付き合ったけど、
、結局、全部ふられてっから。フラレの与三郎なんて仇名が付いちまったくらいで。
 ・・・ははは。・・・だから、百パ-セントっていう数字は俺の場合、まんざら信じ
 らんないでもない。」
   苦笑しながら頷く青
友人「今から思えば、やり方全然間違ってたんだ。・・・そりゃもう惨々な目さ。」              
                                 (WIPE)
〇回想
   友人が色々な女の子と付き合う色々な場面が次々とオ-バ-ラップする。
   (食事・映画・テニス・ボウリング・カラオケ・遊園地・・)
友人の声「俺お前と違って結構いいかげんだったから、それこそ、なんとなくっていう
 付き合い方なんだけど、案外楽しくやってはいたんだなあ・・・」
青年の声「楽しそうじゃん。」
友人の声「だけど、最後に実らないんじゃあ、意味がない。何も無い方がましだよ。」                                                 (WIPE)
〇回想(1)友人の部屋         
   コ-ドレスの受話器を凝視する友人。
   大きく深呼吸をしたあとボタンを押す。友人「やあ、こんばんわ。元気?」
   画面半分に現れる彼女。      
   そのつど片方がアップになる。
女の子(1)「(にこやかに)元気よ。だって。今日会ったばっかりじゃない。」
友人「あはは、そ、そりゃあそうだ。」
女の子(1)「なあに?。何の用?。」
友人「今日の映画よかったね。」
女の子(1)「ふふふ。あなた途中でスヤスヤと眠ってたくせに。よく言うわ。」
友人「だ、だから、今度はアクション映画がいいかなって思って。ど、どううかな。」
女の子(1)「いいわよ。私シュワルツェネッガ-の大ファンなんだから。」
友人「(突然緊張がほぐれた様に)そうっ。よかったあ・・・。今日居眠りして、
 てっきり嫌われちゃったかなって、心配で・・・。」
女の子(1)「や-ね-。そんなことで心配なんかしないでよ。なんか変だと思った。
 そんなことで変な緊張しないでよ。」
友人「(思い切り緊張して)・・・だって。・・・」
   だんだん表情が硬くなり
女の子(1)「・・・だって・・・なに・・・?」
友人「だって・・・君のことが・・・好きだからっ…」
   更に表情が強ばって
女の子(1)「・・・・・・・・・。」
友人「・・・もしもし。…・・・もしもし・・?・・・」
   画面が友人一人になる。
友人「もしもし?・・・もしも・・」
   『プ----』という受話器の音。
友人「なんだこれ・・・」
   と言って受話器を見て、掛け直す。
   着信するが、声がしない。
友人「もしもし・・・?・・居るの?・・・。」
   硬い表情でゆっくりWIPEで画面の片方に現れる彼女。
女の子(1)「ごめんなさい。ちょっと手がすべっちゃって。だってびっくりしちゃう
 じゃない。急にバカなこと言うんだから」
友人「バカなことじゃないと思うけど。」
女の子(1)「バカよ。・・・あなた嫌い。」
友人「(動転して)き、き、嫌い?・・・」
女の子(1)「そう。あんなこと言うんだもの。つまり、だって困っちゃうじゃない」
友人「えっ?。どうして。ど、どういうこと?・・・」
女の子(1)「もう-、あなたが悪いのよ。とにかく、電話切るから。」
友人「お、お、終わり?。え、え、映画っ。シュ、シュ、シュワシュワ、シュワルツ」
女の子(1)「何言ってるの。切るわよ。」
友人「シァワルツ、シェワルツェ、シュワ」
女の子(1)「とにかく・・・そういう事だから」
と言って切ると『プ--』という音。   
   画面がふたたび友人一人になる   
   突然こちらを向いて
友人「おわり。」と言う。       
                               (WIPE)
〇回想(2)夜のレストラン
   食事が済んで飲物を飲む二人。
友人「誕生日おめでとう。」
   と言って突然小さな包みを差し出す。
女の子(2)「わあ-。驚いた-。知ってたなんて・・・。嬉しいわっ。」
   と言って笑顔で受け取る。
友人「なんでもない物だけど。気持だから・・・」
女の子(2)「(可愛らしく微笑んで)ありがとう。」
友人「(緊張した微笑みを浮かべて)じつは今日どうしても話したくて。」
女の子(2)「(屈託なく)なに?。もう充分話したじゃない。楽しかったわ。」
 それにプレゼントまで。おなかも心もいっぱいよ。・・・何をいうの?。」
友人「何って、そう言われると、なんか言い難いんだけど・・」
女の子(2)「(表情が消えて)・・・・・・」
友人「(意を決したように)今日はそのつもりで来たから。」
女の子(2)「やだわ-。なによ。お願いだから、へんなこと言わないでよ。」
友人「ははは。へんなことなんかじゃないよ。君のことが本当に好きだってこと言いた
 くて・・・。つまり・・・誰よりもって事で。・・・マジ。」
   と言って、とびきりの笑顔をつくる。
   唖然として表情を無くしたままの彼女。
女の子(2)「・・・・・・。」
   更に笑顔を強調してみせる友人。
   困った様な顔をして返す彼女。
   急に表情を無くす友人。
   どこか大人びた雰囲気になり
女の子(2)「嬉しいけど、困るわ-。そんなふうに言われちゃったら。これだって
 受け取れなくなっちゃうもの。」
   と言ってプレゼントを前に出す。
友人「ど、ど、ど、どういうこと・・・」
女の子(2)「どういうことって・・・。困らせないでよ。何を言えばいいのよ。」
友人「何って・・・つまり、別に、・・・なにも・・・。」
女の子(2)「そう・・・。そろそろ帰る時間だわ。」
   と言って帰ろうとする。
   慌てて引き止めるように
友人「ゴメンゴメン、悪かった。変なこと言っちゃった。取り消すよ。取り消すからッ!」
女の子(2)「もう手遅れよる」      
友人「お、お、終わり?・・・」
女の子(2)「・・・。」
友人「つい心にも無いこと言っちゃって。」
女の子(2)「え?・・・そうなの。だったらそれはまた問題ね。とにかく帰るから。」
   と言って席を立つ。
   暫く呆然としているが、慌てて立ち上がり伝票を掴んで、こちらを向き
友人「おわり。」と言う。
   テーブルに置き忘れられたプレゼントの包み。
                                (WIPE)
〇大学の広場
   ベンチの二人。
友人「全部そんな感じだよ。ケイコに、ヨシエに、ヤスコに、サチヨ。みんな一緒だ。
 意味なかったなあ。手も握ってないのに」
青年「惜しかったなあ。もっと上手いことやればよかったんだ」
友人「そうなんだよなあ。今思えばな・・・。」
青年「今度からは上手くやれよ。」
友人「オット。見縊ってくれちゃっちゃあ困るってえもんだ。俺だって本物の恋愛を
 するつもりなんだからなあ。」
青年「(頷きながら)お前、やり方間違ってなんかいないよ。きっと本物の相手じゃあ
 なかったというそれだけの事だと思うぞ。」
友人「お前ほどじゃあないけど、けっこういけてると思ったんだけどなあ。・・・そうか、
 ・・・本物の相手か。・・・しかしそんなの本当に居るんかなあ。この世の中に。」
青年「ばか、居ないでどうする。」
友人「お前はいいなあ、見つかったから。」
青年「ははっ。まだわかんないよ。」
友人「そうかなあ。本物だぜあれは・・・。お前と彼女が常識をぶっ壊すんだ。百パ-
 セントなんてウソだよ。先輩だって、ああ言ってても実は期待してんだよ。
 だから俺達に興味 があるんだ。頼むからいいものみせてくれよこの目ん玉に。……
 行くんだろ日・・・?」
青年「・・・行ってみようかな。」
友人「やった-。そう来なくっちゃあッ!」
青年「やけに乗せやがるなあ。・・・。そういえば前からちょっと思ってたんだけど、
 彼女の友達のあの子・・・」
   と言って横目で彼の顔色を伺う。
友人「(惚けて)え、誰。・・・ああっ・・・」
青年「お前って、あの子のこと、気になってるんじゃないの?・・・好きなんだろ。」
友人「(戸惑って)何を言うんだよッ。いきなり。俺の事はどうでもいいじゃんッ。」
青年「……ズバリってとこだな。」
友人「(頭を掻きながら)けっこう可愛いだろ。似合ってないか俺に。・・・え?どう」
   噴き出す様にして大笑いする青年。
友人「悪くないだろ。ちょっとピンと来てんだ。ほんとほんと。まじまじ。」
青年「(笑いを残して)ぜんぜん悪くない。上等上等。」
友人「インスピレーション本物だと思うんだよ。えへへへへ。」
青年「よしっ。わかった。・・・お前と彼女で常識を壊せ。そんでもって俺が後に続くっ!
 やった。やった。やったな-ッ!」
   調子くるった様になり 
友人「ちょっと待ってくれよ-。そんな大役、俺にはできないよ-。何言うんだよ-。
青年「後遺症あるから、俺の場合。」
友人「俺だってあるさ。お前よりずっと重症だって。話しただろ。ボッロボッロだ。」
   あきれた様な顔をして
青年「しょうがないなあ。頼りない奴め。」
友人「兎に角、いい夢見せてくれって。」
   頭に手を組み空を見上げる青年。
                                 (F.O)               
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

カテゴリ
最新記事
プロフィール

sagapo5614

Author:sagapo5614
写真集「四季の肖像」の作者です。
プロフィルや作品はこちらのHPをご参照ください。http://mfnpf.jp/
下記リンク【四季の肖像】からどうぞ

リンク
月別アーカイブ
最新コメント
フリーエリア
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

検索フォーム
RSSリンクの表示
FC2カウンター
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。