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この空の青さは②

〇回想(デパ-トの流通センタ-作業場) 
   梱包されたお歳暮の商品がベルトコンベア-の上を次々流れて行く。
友人の声「去年の冬休みのバイトがそもそもの始まりだ-。」           
   学生達に混じって二人が並んでお歳暮の仕分け作業に精を出している。  
友人の声「俺が見付けたアルバイトだぜ、言うならば俺は愛のキュ-ピットだ。」
青年の声「ぷっ。汚いキュ-ピットだなあ」
友人の声「そんなこと言っていいのか。生涯の恩人になるかもしれん御人に対して。」
青年の声「ど-ゆ-ことだ。」 
友人の声「そ-ゆ-ことだ。」
   二人の肩越しの前方に、従業員に連れられて大勢の女子学生がやって来る。
   そのなかに彼女がいる。
   従業員に配属の指示を受ける彼女達。
   それに気づいた男子学生達、そちらを向き一様に晴れやかな表情。
   二人も例外ではない。
   急に活気づく職場。特に包装作業のテ-ブルでは、ふざけたり大声を出したりと、
   色めき立ったような雰囲気。
                                  (O・L)
    数人の女の子のアップ。彼女だけが、なぜか、じっとこちらを向いている。
   一度前を見るが、またこちらを向く。
              ( O・L)
   作業をしながらも正面をじっと見つめている青年と、その視線に特別な気配を感
   じ取った様子の友人。
青年の声「あんなに凄いインスピレ-ション は生まれて初めてだった。」
   数人の女子と共に包装のコ-ナ-に連れられて行く彼女。歩きながらまたも
   一度チラリとこちらを見る。
友人の声「俺じゃないんだよな悔しいけど。そういえばお前けっこう二枚目だもんな。」
青年の声「そういう問題じゃない。」
   包装コ-ナ-の一つのテ-ブルに配属された彼女(青年から見て斜め前方の
  位置)周りの学生達の挨拶攻めなどに明るく対応している。しかし、またもや
  一度チラリとこちらの方を見る。
                                 ( O・L)
  横の学生から話かけられたりしながら楽しげに仕事をしている彼女。青年のいる
  方向を 向き姿を探す仕草。
                                  (O・L)
  少し違う位置で仕分け作業をしている青年。
  おもむろに彼女の方を見る。
                                   (O・L)
  はっとした様に正面を向き直し、はにかむ表情でうつむいて仕事を続ける彼女だが、
   またチラリと視線を向ける。
友人の声「お前は何か特別な色目でも使って たんか、一生懸命。」
青年の声「何てえ事言うんだよ。そんなこと ではない。お前にはわかんないって。
 俺だって初めての事なんだから。」
友人の声「彼女が色目つかったんだ。」
青年の声「ばか、そんなんじゃない。だけど どっちかと言えば同時なんだなこれが・・。
 何かがシックリと来ちゃったんだ。そうとしか言い様がない。…きっと、ずっと待ってい
 た何かなんだ。」
                                    (O・L)
   すっかり一つの集団に取り込まれてしまった彼女、休憩時間にコ-ナ-で、友達等と
    一緒に 質問ぜめに合ったりしていて案外楽しそうな様子。
  違う集団の青年と友人、遠目にそれを見やったりして気になる様子。
  するとまたこちらの方を見る彼女。
青年の声「俺よりもイケメンで格好のいい男なら、他にいっぱいいるんだぞ。」
友人の声「俺とかね。」
青年の声「それに、学校とか何も知らないままで。それが素晴らしいじゃないか。俺の中に
 求める物を見たのさ。他には無い何かだ。お互いの本質が自然に引き合ったんだ。…もう
 何もしないで良いような気がしちゃって…。だから、本当に、何もしなかった。…」                                                   (WIPE)
〇大学の広場(ベンチの二人)
   更に話しこんでいる様子。   
   感慨深げに
友人「そうだったなあ……。」
青年「グル-プが違うとどうしてもな。昼休みなんかも時間がずれてるし。なんか、何ん
 でも集団単位になっちゃうんだもんなあ。ミョ-にまとまっちゃって、ミョ-に何か枠み
 たいな物ができちゃった様で・・」
友人「(けろりとした感じで)集団主義というやつだ。このまえ先輩 が言ってた。集団主
 義からの脱却なくして は日本人の真の自立は無いって。」
青年「難しいことおぼえてんだなあ。それ、試験に出るの?。」
友人「試験に出ることだけ覚えてればいいという今の大学教育にこそ問題があるって。」   
青年「(苦笑して)わかったわかった。先輩の話は確かに面白いし、俺だって興味ある。
 だけど今日のところは止めにしよう。」
友人「とにかく距離があったことは確かだ。 だけど接近するチャンスも有ったよな。」
青年「有ったさ。接近どころか接触だよ。完 全なる第二種接近遭遇だよ。」
                                (WIPE) 
〇回想(流通センタ-作業場)
   休憩時間に二人がコ-ナ-の椅子に座って缶コ-ヒ-を片手に寛いでいる。
   遠目に、彼女が友達と一緒にホウキでしきりに床掃除をしている。
   すると、彼女達がホウキで床を掃きながら徐々に二人に近づいて来る。
   びびった様子の友人と落ち着いた青年。
   とうとう至近距離まで来た彼女、思い切り青年に視線を合わす。(それは正
   に恋心が裸になったような表情で)    
   その視線を受けとめている青年。
友人の声「彼女の方からだったな。」
青年の声「まさに、心と心が、触れ合った」
   ただならぬ雰囲気にびびりまくる友人
   思わず缶コ-ヒ-を床に落とす。
   青年の足元に転がる缶と、みるみるう
   ちに広がり出るコ-ヒ-。
   それを見た彼女、ココぞとばかりに駆け寄って、持っていた雑巾で床を拭く。
青年「どうも。すみません。」
   足を上げたりしている青年、いたたまれずに立ち上がろうとすると、
   拭き終えた彼女も同時に立ち上がる。
   触れそうな距離で見合って固まる二人。
青年「………。」
彼女「………。」
   はっとした様に半歩退く彼女。
   すると、彼女の左肩に大きな糸屑がついていて、それを青年が右手で取る。
   一瞬驚いたように肩を震わせて、もう半歩、反射的に退く彼女。
   しかし糸屑を見てすぐに微笑み、ペコリと小さく小首を下げてお礼をする。
   はにかむ彼女を助けるように
青年「ありがとう。それにしても君、素早かったねえ。さすがっ。」
彼女「ふふっ。」
   と言って肩をすぼめて微笑み 
彼女「偶然そこに居て雑巾持ってたの。」
   と言ったまま去ろうとしない彼女。
   一瞬、独特な熱い空気が漂う。
青年「どうぞ。」
   と、向かいの椅子を指して
青年「掃除、もういいんでしょ。どうぞっ。」
彼女「え、ええ……。」
   友達を小さな手招きで誘う仕草をしながらも、潔く座ろうとする。
   呆然としていた友人、突然の展開に慌てふためき、椅子を整えようとするが、
   自分が椅子から転げ落ちてしまう。
友人「アイタタタ-ッ!」
   と尻餅を突いたまま         
  「コ、コ-ヒ-こぼしたのも僕なんです。 僕って、ドジでノロマな、泥亀っ」
   おどけた素振りで照れ隠しする姿に、笑いが起こり、和やかなム-ドが広がる。
友人「お嬢様、どうぞこちらの席へ。お付のかたも、さあこちらの方へ。」
   と、ふざけた口調で取り仕切る。
   笑ったままの明るい表情で、友達と一緒に和やかに腰を下ろす彼女。
                                (WIPE) 
〇大学の広場(ベンチの二人)
   頭に腕を組み空を仰いで回想に浸っている二人。
友人「あの時は驚いたなあ。ほんともうビビ ッちゃった俺。あの状況ったらもう。」
青年「なんでお前がビビるんかなしかし。」
友人「いいじゃんか。そのお陰であんないい事になったんだから。」
青年「生涯の恩人ってか。」
友人「そ-。そのと-り。ご名答。」
青年「本当にそうなったら、嬉しいヨッ。」と言って天を仰ぐ。
友人「なるってなるって。あん時のお前とあの子ときたら。あ-もうっ・・・て感じ。」
   天を仰いでいた青年、急に向き返って
青年「そう、そうだろ、そうなんだよなっ。いやいや参った参った、へへ、へへへへ」
   と、満足そうな笑顔になる。
友人「それにしても、へんな邪魔が入ったものさ。せっかくの良いところになあ。」
   ゆっくり頷く青年。
                                  (WIPE)
〇回想(流通センタ-)
   先ほどのつづき。
   おどけ役になった友人を中心に、会話の弾むコ-ナ-の雰囲気が、
   様々な表情などの静止画で描かれる。
友人の声「俺の失敗話ばっかりでさあ。盛り上がったのはいいんだけど。とんだドジな
 ピエロを演じちまった。」
青年の声「実際の姿でしょ。お前の投げてよ こした花鰹のパックが主任の頭にあたっ
 て血相変えて叱られた話。異常なまでの怒り よう。それが花鰹だったからって話。
 主任の頭がそういえば花鰹みたいだと。なんか花鰹って言葉がやたら可笑しくて。」
友人の声「とにかく盛り上げたさ。」
青年の声「肝心な事は何も話してない。」
友人の声「そうだ。あいつのセイだ。あの野 朗が邪魔しやがった。」
   盛り上がっているコ-ナ-に、一人のリ-ダ-らしき学生が近寄って来て、
   大声で彼女達に声をかける。
リ-ダ-「きみたち-っ。差し入れのオヤツ が来てるよ-っ。早く来るようにっ。」
   とまどう彼女達。
   すると近くまで来て
リ-ダ-「君達の椅子はあっちにあるから」   
   と言って促す素振り。
   仕方なく席を立つ二人。
友人「じゃあ、またねっ。」
   と言って小さく手を振る。
   離れぎわに微笑みで答える彼女。
   青年への視線には特別なものが。
   遠ざかる二人の横を、偶然通りかかる花鰹頭の主任と、それに気づいて顔を
   見合わせて笑い合う二人の後ろ姿。
                                   (WIPE)
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